ドレスコードのあるパーティーは、ドレスを着なれていない人にとってどのような恰好をすればいいのか迷ってしまうシチュエーションです。
どのようなコーディネートがふさわしいのか、マナー違反に当たらないのかと考え込んでしまいますよね。
この記事では、ドレスコードの種類や注意点についてシチュエーションごとにまとめました。
ドレスコードの理解はファッションをさらに楽しむきっかけになります。ぜひ参考にして下さい。
ドレスコードとは
ドレスコードとは日本語では「服装規定」とも言われ、TPOに合わせた服装をすることで、周囲の状況や身だしなみに配慮することを指します。
TPOは「時間(Time)」・「場所(place)」・「場合(Occasion)」の頭文字を合わせたもの。
状況に応じてその場にふさわしい身だしなみを行うことがドレスコードの考えとなります。
ドレスコードは参加者の服装に統一感を持たせることで、その場の雰囲気を見出さないように、という配慮から始まったマナーなのです。
そのため状況ごとに求められるドレスコードはそれぞれ異なります。
ドレスコードは冠婚葬祭やパーティーなど、およばれの席にふさわしい服装を指すイメージですが、広義では式典や会社などその場に見合ったものもドレスコードと呼ぶ場合があります。
ドレスコードの種類
ドレスコードの種類は多く、冠婚葬祭が含まれるフォーマルなど代表的な状況を含めて全部で7種類あります。
注意すべき点は、パーティーなどのイベントが行われる場所だけではなく、時間帯によってもドレスコードが異なること。
同じ場所で開催される場合でも、昼と夜ではふさわしい服装が異なることがあります。
また催し物によっては特にドレスコードの指定がなく「平服」の参加を案内される場合もあります。
平服とは「フォーマルな服装のようにかしこまらなくてもいい」という意味ですが、決して普段着で参加しても問題がないというわけではありません。
この場合はちょっとした余所行きのワンピースなどを着て行くのがいいでしょう。
ドレスコードで気をつけたいのは洋服だけでなく、足元のおしゃれやバッグなどの小物も含まれます。
フォーマルやセミフォーマルなどのかしこまった席では素足で参加するのはタブーのひとつ。特に結婚式ではマナー違反になってしまいます。
寒い時にはタイツの着用を考える人もいるかもしれませんが、タイツはカジュアルウェアにあたるためフォーマルやセミフォーマルの席では不可です。
ドレスコードで許可がない限り履くのは避けましょう。
ワンピースやドレスを美しく着こなしても、足元のマナーは疎かになってしまうことがあります。
ドレスコードは靴やバッグにまで注意を払ってこそ役立つものです。服装のルールを理解しておくとおしゃれの着こなしが広がりますので、知っておいて損はありません。
次項から各ドレスコードについて詳しく見ていきましょう。
フォーマル
フォーマルとは、高級ホテルで行われる行事など最も格式の高い催し物の時にふさわしい服装を指します。
フォーマルの特徴は昼と夜とで服装が異なること。行事が18時以前に行われる場合は昼、18時以降に行われる場合は夜と区別するのが一般的です。
昼であれば女性はアフタヌーンドレスと呼ばれる露出の少ないデザイン。袖なしではなく7分丈になっているなど、露出を抑えた上品なデザインが主流です。
スカートはくるぶし丈程度のものを着用するのがマナーですが、ロング丈でも問題ありません。
一方、夜は昼よりも露出の多い華やかなデザインで、イブニングドレスと呼ばれるドレスを身につけます。
イブニングは胸元や背中などが大胆に露出したデザインが多いのが特徴。スカート丈は足の甲にかかるものからフロア丈など、長いデザインが主流です。
ドレスに豪華なアクセサリー類を身につけると、さらに華やかさがプラスされます。
セミフォーマル
セミフォーマルはフォーマルよりもかしこまってはいませんが、正式な場にふさわしい服装のこと。昼と夜で使い分けが必要な点はフォーマルと共通しています。
昼に着る服装はセミアフタヌーンドレスが主流です。このドレスはスカートの丈がひざ丈からひざ下のデザインが一般的で、袖がないことが多いです。
選ぶなら袖つきのタイプを選ぶか、またはボレロやストールを着用して露出を減らすのがマナーとされています。
また、フォーマルやセミフォーマルの場合、昼の服装は光り輝くアクセサリーなどをつけるのは露出と同じくらいNG。ドレスは光沢のない素材を選ぶようにしましょう。
夜はカクテルドレスを着るのが一般的です。
カクテルドレスはパーティードレスのことを指し、ノースリーブで華やかさを重視したデザインが主流。
素材もセミアフタヌーンドレスより光沢があるものが多いことも特徴です。
カクテルドレスはナイトパーティーなどの華やかでにぎわうイベントでは特におすすめのスタイルです。
インフォーマル
インフォーマルはセミフォーマルよりもカジュアルなドレスコードのこと。
そのためフォーマルやセミフォーマルのような昼・夜の時間帯別で着用する服が変化することはありません。
イベントの招待状やドレスコード指定の際、「平服」と指定されている場合は通常インフォーマルのことを指します。
インフォーマはフォーマルのように改まった服装ではありませんが、ドレッシーさを必要とされますので注意が必要です。
露出しすぎている服装はNGですが、上品で華やかさのあるおしゃれなドレスはぴったりです。
スマートエレガンス
スマートエレガンスはあまり格式ばっていないイベントのドレスコードを指します。
例えば結婚式の2次会やホテルのディナーなどがそれです。スマートエレガンスで着る服装は、上品さを基調にした華やかなワンピースやドレスなどがおすすめ。
ドレスが華やかなデザインの場合は、バッグや靴などは同系色で合わせたシンプルなものにすると上品にまとめることができます。
カジュアルエレガンス
カジュアルエレガンスは、スマートエレガンスの服装を少しカジュアルにした服装のこと。
「カジュアル」という名称はついていますが、決してラフな格好のことではありませんので注意しましょう。
普段よりもかしこまった場所に参加するため、服装は最低限のマナーを守っておしゃれなコーディネートになるよう心がけることが大切です。
カジュアルエレガンスとしておすすめなのが、華やかなワンピースや上品なパンツスタイル。
パンツスタイルもバックにレースをあしらったブラウスなどを組み合わせるとエレガントさを演出することができます。
スマートカジュアル
スマートカジュアルはジーンズなどの普段着を避けたドレスコードのこと。
そのため、ジーンズや短パンなどのラフすぎる恰好や極端な露出をした服装でなければ問題ありません。もちろんデニム素材も避けて下さい。
スマートカジュアルにふさわしい服装は、スカートとブラウスの定番の組み合わせ。
定番でも素材やデザインで個性を演出することができますので、きれいめな恰好を意識したスタイルにしましょう。
アクセサリーや小物を使って華やかさをプラスするとおしゃれさが格段にアップします。ヘアスタイルもアップやハーフアップなどですっきりとまとめましょう。
ビジネスアタイア
ビジネスアタイアはビジネス関連で行われるイベントのドレスコードのこと。
「business(仕事)」と「attire(衣装)」を一つにした言葉で、株主総会や企業のレセプションパーティーなどに着て行く服装を指します。
仕事とは言っても会社のかしこまったイベントですから、スーツを着用する場合も普段より少し華やかなスーツを着用するのがマナー。
会社の創立をお祝いするパーティーなどに参加する時は、スーツではなくワンピースでも問題ありません。
ドレスコードのあるイベント例
ドレスコードはいくつかの種類がありますが、どのドレスコードがどの行事に適しているのか、区別がつかないと迷ってしまうこともありますよね。
この段落ではドレスコードがある行事を具体的に紹介し、それぞれのシーン別にふさわしい服装について解説します。
結婚式・披露宴
結婚式はフォーマルな式だと思われがちですが、実は参列者として出席する場合のドレスコードはセミフォーマル。
結婚式は新郎新婦とその両親、仲人が中心となりフォーマルを着用します。
参列者は主役を引き立てるために少し格を下げた服装にするのがマナーとされているため、セミフォーマルになるのです。
ドレスコードが厳しくない結婚式でも、白のドレスやワンピースを着用するのは最大のタブー。
白は花嫁が着る特別な色ですので絶対に避けて下さい。
黒も喪服を連想させるという理由から結婚式では好ましくないとされていますので避けた方がいいでしょう。
革や毛皮も殺生につながるため結婚式ではつけません。
また、リクルートスーツのように華やかさがないものや、ミュールやサンダルなどの足の指を露出させる靴もNGです。
一方、新郎新婦の意向や式の雰囲気によってはカジュアルな服装の方が好まれる場合もあります。
参列者は結婚式の時間帯や会場によってドレスコードが変わる場合もあります。
例えば昼にホテルで行われる場合はセミフォーマル、レストランの場合は少し格が下がるためインフォーマルでも問題ない場合があります。
夜の結婚式の場合は、カクテルドレスにアクセサリーを合わせて華やかに装っても問題ありません。
足元は肌色、またはベージュのストッキングを着用するのがマナー。黒は縁起が悪いためNGです。
柄の入ったストッキングや網タイツ、カラータイツもカジュアルウェアにあたるため避けましょう。
肌色・ベージュであればワンポイントの入ったストッキングを着用したり、ラメが控えめに入ったストッキングを合わせたりしても華やかに決まります。
ドレスコードの指定が特にない場合は事前に問い合わせるといいでしょう。
パーティー
パーティーは開催される場所や内容によって異なりますが、一般的にドレスコードについてはデザインや色に決まりはありません。
ある程度フォーマルで上品な雰囲気がある恰好が求められると覚えておけばいいでしょう。
しかし、極端に露出が多いデザインや派手すぎる色合いは避けた方がマナー違反を指摘される危険性もなく無難です。
ホテルではなく、ホームパーティーなどの個人宅で行われるカジュアルなイベントに出席する場合は、フォーマルな服装にこだわる必要はありません。
招待状などにドレスコードの指定がない場合は、パーティーを開催する主催者に確認するのもいいでしょう。
高級飲食店での食事
高級なレストランやホテルで食事をする場合は、お店の雰囲気によってはドレスコードが指定されていることがあります。
ホテルのルールにもよりますが、サンダルやノーネクタイなどのカジュアルな恰好はNGになりやすいので気をつけましょう。
お店が指定するドレスコードからあまりにもかけ離れていた場合は、残念ながら入店拒否をされる可能性もあります。何も指定がない場合や、ドレスコードが分からない場合は行き違いを防ぐために来店前に問い合わせるのがおすすめです。
服装はお店側のドレスコードに沿って選ぶべきですが、その時は締め付けが少ないデザインのものを選ぶようにしましょう。
食事がメインになりますので、食事中にウエストが苦しくなったり気分が悪くなったりしてしまうと、せっかくの席が台無しになってしまいます。
お店のドレスコードも考慮しながら、ふんわりとした締め付けの少ないデザインの服装がおすすめです。
ドレスコードの指定がない場合
毎年恒例になっている行事や、常連の人が多い行事の場合はドレスコードが暗黙の了解になり、特に指定されていないことがあります。
もしそのような行事に初めて招待された場合は、招待状に記載されているドレスコードに合わせた服装にすれば問題ありませんが、
招待状に明記されていない場合は早めに他の参加者や主催者に問い合わせるようにしましょう。
先に説明したとおり、もし招待状に「平服」と指定されていてもジーンズなどのデニム素材の服やTシャツ、短パンなどのカジュアルな服装は避けましょう。
この場合はインフォーマルドレスやスマートエレガンスの服装にするのが無難です。
ドレスコードを守ってその場にふさわしい服装を
ドレスコードを守ることは、その場にふさわしい服装を心がけて着用することです。
慣れないとルールがわからずに迷うこともあるでしょうが、きちんと理解することでフォーマルとカジュアルの使い分けをすることができるようになります。
華やかに装うことは心が躍るものでもあります。ルールを守ろうと頑なになるのではなく、ドレスコードを意識しながらおしゃれを楽しみましょう。